水合わせのやり方|点滴法の手順・時間の目安とメダカ・エビでの違い

How to Aquarium

こんにちは、黒田です!
お迎えした魚やエビを水槽に入れた翌朝、動きがおかしい……そんな経験はありませんか?
実はそのほとんどが、水質・水温の急激な変化による「環境ショック」が原因です。

  • 生体を買ってきたけど、そのまま水槽に入れていいの?
  • 寒い時期・暑い時期の生体導入で気を付ける点は?
  • 導入してすぐに調子を崩してしまう・・・

そんな悩みを解決するのが、今回ご紹介する『点滴法』という水合わせのやり方です。
この記事では、水合わせがなぜ必要なのかという基本から、点滴法の具体的な手順・必要な道具・時間の目安、メダカ/エビ/熱帯魚での違いまで、私の実体験を交えてまとめました。

スポンサーリンク
  1. 結論:水合わせは「ゆっくり」が9割。迷ったら点滴法を選べば失敗しにくい
  2. なんですぐに調子を崩してしまうの?
    1. お店の水槽と自宅の水槽、実はこんなに違う
    2. そもそも、お店で状態の良い個体を選ぶことも大事
    3. そもそもなぜ「ゆっくり」だと平気なのか(浸透圧の話)
  3. 水合わせの基本は「①水温合わせ→②水質合わせ」の2段階
    1. ①水温合わせ:まずは袋のまま水槽に浮かべる
    2. ②水質合わせ:バケツに移して環境をつくる
  4. 差し水法と点滴法、どっちを選べばいい?
    1. 差し水法の具体的な手順
  5. 点滴法のやり方【写真付きで解説】
    1. 必要なものは主に3つ
    2. 点滴法は「サイフォンの原理」を利用する
    3. 点滴の速度と時間の目安
    4. いよいよ導入!
    5. 導入直後〜1週間の過ごし方
  6. 季節ごとの水合わせの注意点
    1. 夏場:水温上昇と酸欠に注意
    2. 冬場:水温低下との戦い
  7. 生体別の注意点
    1. メダカの水合わせ
    2. エビ(ミナミヌマエビ・ヤマトヌマエビ・ビーシュリンプなど)の水合わせ
    3. 熱帯魚の水合わせ
  8. 水合わせでよくある失敗と対策
    1. 失敗1:袋やバケツで酸欠にさせてしまう
    2. 失敗2:pHショックに気づかない
    3. 失敗3:時間をかけすぎる・かけなさすぎる
    4. 失敗4:暴れて飛び出す・落ち着かない
  9. 【体験談】レッドチェリーシュリンプを点滴法でお迎えした話
  10. 導入前によくある質問(FAQ)
    1. Q. 差し水法だけで水合わせを済ませてもいいですか?
    2. Q. 点滴法の道具は自作できますか?
    3. Q. 水合わせ中に生体が暴れて弱ってしまいそうです。どうすればいいですか?
    4. Q. 水合わせをしても調子を崩すことはありますか?
    5. Q. 水合わせに使う水はカルキ抜きが必要ですか?
    6. Q. 複数匹を同時に導入する場合、バケツは分けるべきですか?
    7. Q. 通販で届いた生体も同じやり方で大丈夫ですか?
  11. まとめ

結論:水合わせは「ゆっくり」が9割。迷ったら点滴法を選べば失敗しにくい

先に結論からお伝えします。

  • 生体が導入直後に調子を崩す原因の多くは水温・水質の急激な変化。時間をかけて慣らしてあげれば防げるケースがほとんどです
  • 水合わせは①水温合わせ→②水質合わせの2段階。水質合わせの方法には「差し水法」と「点滴法」があります
  • エビ・ワイルド種・状態が心配な個体は点滴法を選ぶと安心。普段の熱帯魚・メダカなら差し水法でも十分なケースが多いです
  • 点滴法は『サイフォンの原理』を使ってポタポタと少しずつ水を送り込むだけ。道具は100均やAmazonで揃います

「時間をかける」という一点さえ守れば、水合わせの失敗はぐっと減らせます。それでは中身を見ていきましょう。

スポンサーリンク

なんですぐに調子を崩してしまうの?

水合わせを行う前の我が家の水槽まわり

相変わらず水槽まわりにはモノが散乱しておりますが目をつぶってください笑

アクアショップで品定めをし、元気な魚を買ってウキウキで帰宅。
自分の水槽へそのまま入れてテンションMAX!
ところが翌朝、水槽を覗くと・・・様子がおかしい・・・

こんな経験はありませんか?
なぜこんなことが起こるのか、一番の原因はやはり『環境の急激な変化』です。

想像してみてください。真冬に、一瞬で部屋の温度が真夏の40度になったら・・・きっと体調を崩しますよね。
魚やエビなど多くの水棲生体にも、これと同じことが起きています。

お店の水槽と自宅の水槽、実はこんなに違う

お店の水槽と自宅の水槽、見た目は同じように見えても水質は目に見えないところで大きく異なります。
「汚い水槽から綺麗な我が家の水槽へ入れてあげるから大丈夫」と思ってしまいがちですが、それは誤解です。水がきれいかどうかと、生体にとって急激な変化かどうかは別問題です。

  • pH(ペーハー)は酸性寄り? アルカリ性寄り?
  • 水温は何度?
  • 硬度(GH・KH)やTDS(総溶解固形物)はどれくらい違う?

特にエビの仲間はpH・硬度・水温の差に敏感で、水質変化への耐性が水棲生体の中でもかなり低い部類だと言われています。pHの差が1以上あると「pHショック」を起こしやすくなるとされているので、心配な場合はpH測定器で自宅とお店の水を比べてみるのもおすすめです。
お店の水質と自宅の水槽の水質、このギャップを埋めてあげる作業が「水合わせ」です。

そもそも、お店で状態の良い個体を選ぶことも大事

水合わせの話から少しそれますが、どれだけ丁寧に水合わせをしても、そもそも弱った個体を選んでしまうとリスクは下げきれません。お店で生体を選ぶときは、次のようなポイントも見ておくと安心です。

  • ヒレや体表に傷・白い斑点・充血がないか:病気やケガのサインになっていることがあります
  • 水槽内を活発に泳ぎ回っているか:底でじっとしたまま動かない、水面近くで鼻上げしている個体は要注意です
  • お腹がへこみすぎていないか:痩せている個体は輸送のストレスにも弱い傾向があります
  • 同じ水槽の他の個体が★になっていないか:同じ水槽に調子の悪い個体・★になった個体がいる場合、水質や病気に問題を抱えている可能性があります

「元気な個体を選ぶ」+「丁寧に水合わせをする」の両方が揃って、はじめて導入の成功率がぐっと上がります。どちらか一方だけでは、せっかくの努力が半分になってしまいます。

そもそもなぜ「ゆっくり」だと平気なのか(浸透圧の話)

少し理屈っぽい話になりますが、なぜ「時間をかければ大丈夫」なのかを知っておくと、水合わせの重要性がより実感しやすくなります。

魚やエビの体は、周囲の水と体液の間で水分やイオンをやり取りしながら、体内の塩分濃度を一定に保っています(これを「浸透圧調整」と呼びます)。エラや体表の細胞は、この調整をゆっくりとしたペースで行うようにできていて、急激な水質変化に対応するようにはできていません。

水質が一瞬で変わると、この浸透圧調整が追いつかず、細胞レベルでの負担が一気にかかってしまいます。人間で言えば、急に気圧の違う場所に運ばれて耳がキーンとなる感覚に近いかもしれません。
逆に言えば、同じだけの水質差があっても、時間をかけて少しずつ変化させれば、体は調整のペースに合わせてついてくることができます。これが「点滴法がゆっくりであるほど安全」とされる理由です。

スポンサーリンク

水合わせの基本は「①水温合わせ→②水質合わせ」の2段階

急激な変化には人間も魚も耐えられませんが、『徐々に』であれば環境に適応できます。水合わせは、この「徐々に」を実現するための2つのステップに分かれています。

①水温合わせ:まずは袋のまま水槽に浮かべる

生体を入れた袋を水槽に浮かべて水温を合わせている様子

特に冬・夏など気温差が大きい時期は重要な工程です。お店で26℃の水槽を泳いでいた生体でも、持ち帰る間に水温はかなり変化しています。

その状態のままいきなり水槽へ導入するのは危険です。
まずは買ってきた袋のまま、口を開けずに水槽に浮かべましょう。
目安は30分〜1時間。時々袋の水温を手で触って、水槽の水とほぼ同じになったかを確認します。
残念ながら写真を撮り忘れたので、私が実際に浮かべているところはお見せできないのですが(すみません笑)、袋がプカプカ浮いているだけのシンプルな作業です。

ここで一つ注意点があります。袋を長時間そのままにしすぎると、袋の中の酸素が不足して酸欠になることがあります。輸送用の袋は酸素を封入してあることが多くある程度は保ちますが、時間をかけすぎるのも禁物です。魚が水面近くでパクパクする「鼻上げ」のようなしぐさが見えたら、酸欠のサインなので早めに次の工程に進みましょう。

②水質合わせ:バケツに移して環境をつくる

水温合わせが終わったら、次は水質合わせです。
袋に入っていた水ごとバケツに移します。水が多すぎる場合は、多少捨ててしまっても問題ありません。

ここからバケツの中に、少しずつ水槽の水を足していき、元いた水槽の水質に近づけていきます。
同時にエアレーション(ブクブク)をしておくと、酸欠防止になり安心です。

冬場などはヒーターも入れておくことで、水合わせ中に水温が下がってしまうのを防げます。作業に時間がかかるほど、この間の水温キープが大事になってきます。

バケツに生体と水を移し、水質合わせの準備をしている様子

差し水法と点滴法、どっちを選べばいい?

水質合わせのやり方には、大きく分けて「差し水法」と「点滴法」の2つがあります。

差し水法点滴法
やり方バケツの水を1/3ほど捨てて水槽の水を足す、を数回繰り返すチューブとコックでポタポタと少しずつ水槽の水を送り込む
かかる時間10〜20分程度1〜2時間、慎重な場合は3時間以上
変化の滑らかさ段階的(3〜4回に分けて変化)非常に緩やか(連続的に変化)
向いている生体一般的な熱帯魚・丈夫なメダカなどエビ類・ワイルド個体・状態が心配な個体・高価な個体

差し水法は手早く済ませられるのがメリットですが、水を入れ替えるたびに水質が段階的にジャンプします。一方の点滴法は、時間はかかるものの変化がなめらかで、体力の少ない生体やデリケートな生体に向いています。
「とりあえず失敗したくない」「初めて水合わせをする」という場合は、点滴法を選んでおけばまず間違いありません。

差し水法の具体的な手順

「点滴法までは時間が取れない」という方のために、差し水法の手順も紹介しておきます。

  1. 水温合わせを終えた袋の水ごと、生体をバケツに移す
  2. バケツの水を全体の1/3程度、そっと捨てる
  3. 捨てた分と同じくらいの量の水槽の水を、静かにバケツへ足す
  4. 5分ほど様子を見て、生体の動きに問題がなければ②③を繰り返す(3〜4回が目安)
  5. 最後に生体だけを網ですくって水槽へ移す

ポイントは、水を注ぐときに勢いよく入れないこと。生体の近くにドバッと水を入れると、それだけで驚いてしまいます。バケツのふちを伝わらせるように、静かに注いであげましょう。
1回あたり5〜10分の間隔を空けながら3〜4回繰り返せば、トータル20〜40分程度で完了します。点滴法に比べると圧倒的に時短できるので、丈夫な魚を導入するときの定番のやり方です。

点滴法のやり方【写真付きで解説】

ここからは、私が実際にやっている点滴法の手順を写真付きで紹介していきます。

必要なものは主に3つ


①バケツ

点滴法に使うバケツ

とりあえず水が入ればバケツでも計量カップでも構いません笑
水槽より低い位置に置けるものを選んでください(理由は後述します)。

②エアーチューブ

点滴法に使うエアーチューブ

ホースのように水を送るために使います。エアーポンプ用のチューブですが、この用途でもよく使われています。

③コック(バルブ)

点滴の速度を調節するコック

ハンドルで流量を調節できる部品で、点滴法の要になる道具です。ほぼ必須と言っていいでしょう。コックの代わりにチューブを軽く結んで流量を絞るという方法をとる方もいます。

この3つがあれば十分ですが、「バケツ・チューブ・コックを揃えるのが面倒」という方向けに、点滴法専用のキットも市販されています。ホースとコックがセットになっているので、届いてすぐ使えるのが利点です。

点滴法は「サイフォンの原理」を利用する

3つの道具を使って、点滴法は『サイフォンの原理』で行います。

サイフォンの原理を利用した点滴法のセット例

チューブの中を水で満たした状態にすると、水は高いところから低いところへ向かって流れ続けます。水槽側にチューブの片端を沈め、もう片端をコック経由でバケツに垂らしておけば、あとは自動で水槽の水がバケツへ流れ込んでいく仕組みです。水槽リセット時の排水にも使われる原理ですね。

具体的な手順はこうです。

  1. チューブの片端を水槽に沈め、もう片端を口で軽く吸うかポンプで水を満たす
  2. 水が満たされたら素早くコック側の端をバケツの上に持っていく(水面より低い位置になるようにする)
  3. コックのハンドルで流量を絞り、ポタポタと水が落ちる程度に調節する
  4. そのまま水槽の水がバケツに少しずつ溜まっていくのを待つ

点滴の速度と時間の目安

速度の目安は1秒に1〜3滴程度(ゆっくりめなら2秒に1滴くらい)。生体によって適切な速度は変わりますが、基本的には「時間をかけるほど安全」と考えて大丈夫です。

時間の目安をまとめると、次のようになります。

生体の状態点滴法にかける時間の目安
一般的な熱帯魚・メダカ1〜2時間
エビ類・デリケートな種2〜3時間、慎重なら5回以上の差し水を組み合わせる
状態が心配な個体・輸送が長かった個体3時間以上かけて様子を見ながら

私は大体2〜3時間くらいかけることが多いです。バケツの水が溢れないように、途中で定期的に水を捨てながら調整するのを忘れないでください笑
「そんなに時間かけられない」という場合は、無理に点滴法にこだわらず差し水法を選ぶのも一つの手です。時間をかけられないなら、その分こまめに様子を見てあげましょう。

いよいよ導入!

点滴法を終えて水槽へ導入するレッドチェリーシュリンプ
旅立つあなたはレッドチェリーシュリンプ

たっぷり時間をかけて水質合わせを終えたら、いよいよ水槽への導入です。
生体を導入する際、バケツの水は水槽に入れないようにしましょう。網ですくって生体だけをすぐに水槽へ入れてあげれば完了です。

バケツの水を入れない理由は、お店由来の病原体や寄生虫を持ち込むリスクを減らすためです。せっかく丁寧に水合わせをしても、水ごと入れてしまうとリスクが残ってしまうので、ここは徹底しましょう。

導入直後〜1週間の過ごし方

水合わせが終わって「はい完了」ではなく、導入直後の過ごし方も生存率を左右します。私が気をつけているポイントをまとめておきます。

  • 導入直後は照明を落とし気味にする:いきなり明るい水槽に入れると、環境の変化に加えて光のストレスも重なります。可能であれば消灯後や照明を弱めたタイミングで導入すると落ち着きやすいです
  • その日の給餌は控えめに、または与えない:輸送と水合わせでストレスがかかった状態なので、消化不良を起こしやすくなります。翌日以降、落ち着いてから少量ずつ与え始めましょう
  • 他の生体との相性を数日は観察する:新しい生体が既存の生体に追いかけられていないか、隠れる場所を確保できているかをチェックします
  • 1週間は毎日、泳ぎ方・餌の食いつき・エビなら色や動きの活発さを観察する:異変に早く気づければ、その分対処もしやすくなります
  • 導入日と個体数を簡単にメモしておく:後で調子を崩したときに「導入から何日目か」がわかるだけで、原因を絞り込みやすくなります

特に最初の数日は「元気そうに見えるから大丈夫」と油断せず、少し過保護なくらいの気持ちで見てあげるのがおすすめです。慣れるまでの辛抱だと思って、しばらくは水槽をこまめにチェックしてあげてください。

季節ごとの水合わせの注意点

水合わせの基本は年間を通じて同じですが、季節によって気をつけるポイントが変わります。

夏場:水温上昇と酸欠に注意

夏場は持ち帰る間に袋の中の水温がぐんぐん上がりやすく、酸素の溶存量も下がりやすい時期です。保冷剤や保冷バッグを使って持ち帰る、日陰を選んで移動する、といった対策に加えて、水合わせ中のエアレーションは特にしっかり行いましょう。
また、水合わせ中のバケツを直射日光の当たる場所に置かないことも大切です。水温が想定以上に上がってしまい、逆効果になることがあります。

冬場:水温低下との戦い

冬場は反対に、持ち帰る間や水合わせ中にどんどん水温が下がっていくのが悩みどころです。前述の通り、水合わせ用のバケツにも小型のヒーターを入れておくと、水温を保ちながら落ち着いて水合わせができます。
点滴法のように時間をかける場合は特に、水温低下のリスクが上がる点に注意してください。バケツに保温用の発泡スチロール箱をかぶせる、暖かい室内で作業するなどの工夫も効果的です。

生体別の注意点

水合わせの基本は共通していますが、生体によって気をつけるポイントが少し変わります。

メダカの水合わせ

メダカは比較的丈夫で、差し水法でも問題なく導入できることが多い魚です。ただし、屋外のビオトープに導入する場合は季節による水温差が大きくなりがちなので、特に春先・秋口・冬場は時間をかけた水合わせを意識してください。
高価な改良メダカや、輸送に時間がかかった個体、見るからに元気がない個体については、点滴法でじっくり時間をかけてあげると安心です。屋外飼育の温度管理についてはヒーターなしでメダカを冬越しさせる方法の記事も参考にしてみてください。

特に通販でメダカを購入する場合は、屋外の気温がそのまま輸送環境に影響します。真夏の高温・真冬の低温期は、発送のタイミング自体をお店側が調整していることも多いですが、届いたらすぐに開封せず、まずは水温合わせからじっくり行うようにしてください。産卵や採卵のタイミングについてはメダカの産卵・採卵・孵化のコツの記事、稚魚の育成についてはメダカの針子の育て方の記事もあわせてご覧ください。

エビ(ミナミヌマエビ・ヤマトヌマエビ・ビーシュリンプなど)の水合わせ

エビの仲間は魚に比べて水質変化への耐性が低く、pH・硬度・水温差のすべてに敏感だと言われています。水合わせで一番慎重になるべきなのがエビです。
特にビーシュリンプのようなデリケートな種は、点滴の速度を落としつつ「少し水を足しては半分捨てる」を5回以上繰り返すくらいの気持ちで、じっくり浸透圧の変化を滑らかにしてあげると安心です。

比較的丈夫と言われるミナミヌマエビやヤマトヌマエビでも、購入直後は普段より神経質になっているものだと考えて、点滴法を選んでおくのが無難です。コケ取り要員として一気に多めの数を導入するときほど、1匹あたりにかけられる注意が薄まりがちなので、時間を惜しまず丁寧に行いましょう。

また、エビは酸欠にも弱いので、水合わせ中のエアレーションは必須と考えてください。コケ対策でエビを迎える方も多いと思いますが、その場合はコケの生えにくい水槽をつくるポイントの記事も合わせてチェックしてみてください。

熱帯魚の水合わせ

一般的な熱帯魚であれば、差し水法でも大きな問題になることは少ないですが、ワイルド個体(現地採集個体)や高価な種類、状態が不安定な個体については点滴法をおすすめします。
これから熱帯魚を迎える方は初心者におすすめの熱帯魚6選の記事や、水槽選びの基準をまとめた水槽サイズの選び方の記事もあわせてどうぞ。

特に南米・アフリカ産のワイルド個体は、現地の水質と日本の水道水ベースの飼育水とで、pHや硬度が大きく異なることがあります。ショップの水槽と自宅の水槽のpHをあらかじめ調べておき、差が大きい場合は点滴法でいつもより時間をかけるようにしましょう。新しい水槽を立ち上げたばかりの状態に生体を導入する場合は、水槽自体の水質がまだ安定していないこともあるので、その点も踏まえて慎重に進めてください。

水合わせでよくある失敗と対策

失敗1:袋やバケツで酸欠にさせてしまう

袋のまま浮かべる時間や、バケツでの水合わせ時間が長くなりすぎると、酸素不足になることがあります。生体が水面付近でパクパクする「鼻上げ」のようなしぐさを見せたら要注意のサインです。
対策はシンプルで、エアレーションを入れておくこと。特に時間のかかる点滴法では、エアレーションをセットで行うのが基本と考えてください。バケツ用の電池式エアポンプを1つ持っておくと、水合わせのたびに使えて便利です。

失敗2:pHショックに気づかない

お店と自宅のpH差が大きいと、水合わせをしていても急にぐったりしてしまうことがあります。心配な場合はpH測定器で自宅とお店(購入時の水)のpHを比べてみましょう。差が1以上ある場合は、いつもより時間をかけた点滴法に切り替えるのがおすすめです。
デジタルのpH計は数千円台から手に入るので、エビや高価な種類をよく迎える方は1つ持っておくと、水合わせだけでなく普段の水質管理にも役立ちます。

失敗3:時間をかけすぎる・かけなさすぎる

「ゆっくりが正義」とはいえ、必要以上に時間をかけすぎるとバケツの中の酸欠や水温低下のリスクが増えます。反対に、忙しさを理由に水合わせを省略すると、環境ショックのリスクが高まります。
目安としては水温合わせ30分〜1時間+水質合わせ1〜2時間程度を基準に、生体の状態やエビかどうかで時間を前後させる、というくらいのイメージで十分です。

失敗4:暴れて飛び出す・落ち着かない

バケツやネットに驚いて激しく暴れる生体もいます。特に慣れないうちは、バケツから飛び出してしまう事故につながることもあるので注意が必要です。
対策としては、バケツの上に蓋代わりの布や網をかけておく、作業する部屋の照明を落として刺激を減らす、といった方法があります。魚を素手で追いかけ回すのも余計なストレスになるので、なるべく網ですくうタイミングを絞って、短時間で済ませるようにしましょう。

【体験談】レッドチェリーシュリンプを点滴法でお迎えした話

水合わせを終えて水槽に落ち着いたレッドチェリーシュリンプ

今回ご紹介した写真は、コケがひどくなってきた水槽にレッドチェリーシュリンプを導入したときのものです。
エビ系は魚に比べてかなり水質変化に弱いので、今回のようにしっかり点滴法で水合わせをしてあげるのがおすすめです。酸欠にも弱いので、エアレーションも忘れずに行いました。

結果として全滅させることなく、無事に水槽へ迎えることができました。時間はかかりましたが、その分「これで大丈夫」という安心感がありましたね。
正直、点滴法は差し水法に比べると手間も時間もかかります。それでも、コケ取り要員としてまとめて導入したエビたちを1匹も落とさず迎えられたときは、面倒でも時間をかけてよかったと実感しました。

導入前によくある質問(FAQ)

Q. 差し水法だけで水合わせを済ませてもいいですか?

一般的な熱帯魚やメダカであれば、差し水法だけでも問題ないケースが多いです。ただしエビ類や状態が心配な個体、輸送に時間がかかった個体については、点滴法でより緩やかに慣らしてあげる方が安心です。

Q. 点滴法の道具は自作できますか?

できます。エアーチューブとコック(バルブ)、バケツがあれば十分です。コックが手元になければ、チューブを軽く結んで流量を絞る方法でも代用できます。手軽に揃えたい場合は、点滴法専用のセット商品も販売されています。

私が実際に使っているのはこちらのようなキットです。ホースとコックがセットになっているので、届いてすぐ点滴法を試せます。自作すると地味に手間がかかるコックの取り付けが最初から済んでいるのがありがたいポイントです。

Q. 水合わせ中に生体が暴れて弱ってしまいそうです。どうすればいいですか?

強い光や物音に驚いて暴れることがあるので、バケツの上から布をかぶせるなどして刺激を減らしてあげると落ち着きやすくなります。暴れが激しい・ぐったりしているなど明らかに異常が見られる場合は、無理に時間をかけず、状態を見ながら早めに水槽へ移す判断も必要です。

Q. 水合わせをしても調子を崩すことはありますか?

残念ながら、水合わせを丁寧に行っても、輸送のストレスや元々の個体の状態によって調子を崩してしまうことはあります。水合わせはあくまで「環境変化によるショックのリスクを減らす」ためのものであり、絶対に大丈夫という保証をするものではありません。導入後1週間程度は餌の食いつきや泳ぎ方をよく観察してあげましょう。

Q. 水合わせに使う水はカルキ抜きが必要ですか?

水合わせで使うのは基本的に「水槽に入っている、すでにカルキ抜き済みの水」なので、追加でカルキ抜きをする必要はありません。ただし差し水法・点滴法のどちらでも、水槽の水を新たにカルキ抜きしたばかりの水で足す場合は、その水がきちんとカルキ抜きされているか(塩素が残っていないか)を確認してから使うようにしてください。

Q. 複数匹を同時に導入する場合、バケツは分けるべきですか?

同じお店・同じ水槽から購入した生体であれば、同じバケツでまとめて水合わせをしても問題ないことが多いです。ただし、種類が違う・購入した水槽が違う・状態にばらつきがある場合は、念のためバケツを分けておくと安心です。
特に、片方が病気を持っている可能性がある場合、同じバケツに入れてしまうと他の生体にも病原体が移るリスクがあります。心配な場合は個体ごとに分けて水合わせをしましょう。

Q. 通販で届いた生体も同じやり方で大丈夫ですか?

基本的な流れは同じですが、通販の場合はお店での購入よりも輸送時間が長くなりがちです。到着した袋を開けたときに水温がかなり下がっている(または夏場は上がっている)ことが多いので、水温合わせにはいつもより時間をかけましょう。
また、長時間の輸送で酸欠気味になっていたり、生体が弱っていたりすることもあるため、到着後は袋を開ける前に生体の状態を確認し、明らかに弱っている場合は水合わせの時間を通常より長めに、かつ慎重に行うようにしてください。

まとめ

水合わせのポイントをおさらいします。

  • 生体が導入直後に調子を崩す原因の多くは水温・水質の急激な変化
  • 水合わせは①水温合わせ(袋のまま30分〜1時間)→②水質合わせ(差し水法 or 点滴法)の順で行う
  • 差し水法は手早く、点滴法はよりゆっくり・なめらかに水質を合わせられる
  • エビ・ワイルド種・状態が心配な個体は点滴法を選ぶと安心
  • 点滴の速度は1秒に1〜3滴が目安。時間をかけるほど安全側に倒せる
  • 導入時は生体だけを網ですくい、バケツの水は入れない

水合わせは地味な作業に見えて、その後の生体の生存率を大きく左右する大事な工程です。焦らず時間をかけて、新しい仲間を気持ちよく迎えてあげてくださいね。
「面倒だから」と省略してしまいがちな作業だからこそ、ここを丁寧にやるかどうかで長い目で見た飼育の満足度も変わってくると感じています。

これから水槽を立ち上げる方はアクアリウムの始め方の記事も、ヒーター選びで迷っている方は水槽用ヒーター選びの記事もあわせてどうぞ。水合わせという最初の一歩さえ乗り越えれば、あとは日々の観察を楽しみながら、水槽ライフを満喫できるはずです。

メダカを迎えたあとの飼い方は メダカの飼い方完全ガイド にまとめています。

【コメントで教えてください】
みなさんは差し水法派?点滴法派?水合わせで迷っている人は、迎える生き物と今の水槽の状況を書いてもらえれば、やり方を一緒に考えます。
名前はニックネームでOK、メールアドレスは公開されません。いただいたコメントには、できるだけお返事します!

ではでは〜^^

コメント

タイトルとURLをコピーしました