こんにちは、黒田です!
朝晩がぐっと冷えてくると、気になるのが水槽の水温ですよね。
「ヒーターを入れておけば大丈夫でしょ?」と思いがちですが、冬の水槽トラブルはヒーターの故障や、水換えのときの温度差、置き場所の冷え込みなど、ちょっとした油断から起こることがほとんどです。今回は、室内の水槽を寒さから守るための冬支度を、保温・断熱・電気代・停電への備えまでまとめました。
結論:冬支度は「ヒーター・水温計・保温・水換え・停電」の5つ
先に結論です。寒くなる前に、次の5つを整えておきましょう。
- ヒーター……使用年数とW数を確認し、できれば予備を1本
- 水温計……ヒーターから離して入れ、毎日チェック
- 保温……フタと断熱材で熱を逃がさない、置き場所を見直す
- 水換え……新しい水は水槽と同じ温度に合わせる
- 停電……電池式エアポンプと、毛布・断熱シートを用意
ちなみに、屋外のメダカや金魚の冬越しは考え方が違います(ヒーターなしが基本)。そちらは記事の後半で触れますね。
冬の水槽で起きやすいトラブル
冬に気をつけたいのは、水温が「低いこと」よりも「急に変わること」です。熱帯魚やエビが1日に耐えられる水温の変化は5℃以下が目安とされていて、急な変化は体調を崩すきっかけになります。
- ヒーターの故障……温まらなくなる、逆に過加熱になる
- 夜の冷え込み……暖房を切った夜間から朝にかけて水温が下がる
- 水換えの温度差……冷たい水道水をそのまま入れて水温が急降下
- 水の蒸発……暖房で空気が乾き、水位がどんどん下がる
- 白点病……急な水温低下がきっかけになりやすい病気
このあと紹介する5つの冬支度は、どれもこの「急な変化」を防ぐためのものです。
冬支度① ヒーターを点検・準備する
使って何年目かを確認する

ヒーターは消耗品で、メーカー(GEX)は1年を目安に交換することをすすめています。見た目は普通でも、ある日突然壊れることがあります。私も3年目のヒーターが壊れて、朝起きたら水温が35℃になっていたことがあります……。
秋にヒーターを出すタイミングで、何年目のものかを確認しておきましょう。
W数は「部屋の寒さ」まで考える
ヒーターの適合水量は、多くのメーカーで周囲温度が15℃以上の環境が前提です。冬に15℃を下回る部屋では、表示どおりのW数だと温めきれないことがあります。その場合はワンランク上のW数を選びましょう。
ヒーターの種類の違いやW数の選び方は、水槽用ヒーターの選び方で詳しく解説しています。
予備を1本用意しておく
冬にヒーターが壊れると、買いに行くまでの間に水温がどんどん下がってしまいます。予備が1本あるだけで安心感がまるで違います。大きめの水槽なら、ヒーターを2本に分けて入れておくと、1本が壊れてももう1本で最低限の保温ができます(GEXは1つの水槽に入れるヒーターを合計300Wまでにするよう案内しています)。
予備にするなら、私が愛用しているGEXのサーモスタット別体ヒーターがおすすめです。ヒーター部分だけ買い替えられるので、交換用ヒーターを予備に持っておく使い方もできます。
ヒーターが壊れたときの応急処置
水温計を見て「おかしい!」と気づいたら、まずは落ち着いて次の順で対処しましょう。どちらの場合も、急に元の温度へ戻そうとしないのがポイントです。
- 水温が下がっているとき……予備のヒーターに交換します。予備がなければ、部屋の暖房をつけ、フタや毛布で保温しながら新しいヒーターを用意しましょう。お湯を入れたペットボトルを浮かべるのも応急処置になりますが、お湯を直接水槽に注ぐのはNGです
- 水温が上がりすぎているとき……すぐにヒーターのコンセントを抜きます。冷たい水を一気に入れると今度は急に冷えてしまうので、水温を見ながら少しずつ水を換えて下げていきます
私が35℃事件を起こしたときの話は、ヒーターの選び方の記事の失敗談に書いています。予備のヒーターがあれば、こういうときに本当に助かりますよ。
冬支度② 水温計を入れて毎日チェック

ヒーターは自分から「壊れたよ!」とは教えてくれません。いちばん確実な見張り役が水温計です。
- ヒーターから離れた場所に入れる……ヒーターのすぐ横だと実際より高く表示されます
- 朝と夜に見る……水温がいちばん下がりやすいのは明け方です。朝いちばんに見る習慣をつけると異変に気づきやすくなります
- 設定温度とズレていないか……数日続けて設定より高い・低いなら、ヒーターやセンサーを疑いましょう
室内のガラス水槽なら、ガラス面にマグネットで貼り付けるタイプの水温計が見やすくて便利です。水槽の外から見られるので、毎朝のチェックもラクになります。
冬支度③ フタと断熱で熱を逃がさない
フタをする
水面からは、水の蒸発と一緒に熱もどんどん逃げていきます。ガラスのフタをするだけでも、水温の下がり方はかなり違います。蒸発が減るので、足し水の手間が減るのもうれしいポイントです。
背面・側面・底に断熱材を貼る
さらに保温したいなら、水槽の外側に断熱材を貼りましょう。見た目を損ねにくいのは、観賞面以外の背面・側面・底です。
| 断熱材 | 特徴 | 向いている場所 |
|---|---|---|
| 発泡スチロール板 | 保温力が高い。厚みがあるほど効く | 底・背面 |
| プチプチ(梱包材) | 安くて柔らかく、扱いやすい | 背面・側面 |
| アルミ断熱シート | 巻きつけやすい | 外部フィルター・ホース |
意外と見落としがちなのが外部フィルターとホースです。水槽の外に出ているので、部屋の冷たい空気で水が冷やされてしまいます。ここにも断熱材を巻いておくと、ヒーターの負担が減ります。

手軽に始めるなら、水槽用のアルミ断熱シートが便利です。60cm水槽用などサイズ別に売られているので、必要な大きさに切って背面や側面に貼りましょう。
置き場所を見直す
同じ部屋の中でも、場所によって冷え方はかなり違います。次のような場所は冬に水温が下がりやすいので、できれば避けましょう。
- 窓際……夜は窓から冷気が入ってきます
- 床の近く……冷たい空気は下にたまります
- 玄関・廊下……暖房が効かず、外気の影響を受けやすい
- エアコンの風が直接当たる場所……暖房のON/OFFで水温が上下しやすい
水槽を動かすのは大変なので、置き場所を変えられない場合は、その分断熱をしっかりしておくのがおすすめです。
冬支度④ 水換え・足し水は温度を合わせる
冬の水道水は、地域によってはかなり冷たくなります。そのまま水槽に入れると、水温が一気に下がってしまいます。
- 新しい水は温度計で測って、水槽と同じ温度に……給湯器のお湯を混ぜて合わせるとラクです。差は±2〜3℃までにおさめ、できるだけ同じ温度にしましょう
- カルキ抜きを忘れずに……お湯を混ぜた水にもカルキ抜きは必要です
- 一度に大量に換えない……冬はいつもより少なめ・ゆっくりが安心です
暖房で空気が乾く冬は、水の蒸発も増えます。減った分をこまめに足し水しておくと、水位が下がってヒーターが水面から出てしまう事故も防げます。足し水も、もちろん温度合わせとカルキ抜きをしてからです。
新しく魚をお迎えするときも、冬は袋の中の水温がかなり下がっていることがあります。水温合わせのやり方は水合わせのやり方をどうぞ。
冬支度⑤ 電気代を抑えるコツ
冬に気になるのが電気代ですよね。ヒーターの電気代は W数×動いた時間÷1,000×電気料金の単価 で計算できます。たとえば160Wのヒーターが24時間ずっと動き続けたとすると、単価31円/kWh(全国家庭電気製品公正取引協議会の目安単価)で1日あたり約119円です。
実際のヒーターは、水温が上がるとOFF、下がるとONをくり返すので、これよりかなり少なくなります。逆にいうと、ヒーターが動く時間を短くするほど電気代は下がるということです。
- フタと断熱材……熱が逃げにくくなり、ヒーターが動く時間が減ります
- 設定温度を上げすぎない……飼っている生体に合った温度で十分です
- 置き場所を暖かい部屋に……部屋が寒いほどヒーターはがんばります
- 照明はタイマーで決まった時間だけ……つけっぱなしを防げます

照明のON/OFFを自動にするなら、こうしたコンセントタイマーが手軽です。なお、ヒーターは水温を保つために常に電源を入れておく機材なので、タイマーで切らないようにしましょう。
私は昔、照明をこういったプログラムタイマーで管理していましたが、今はスマート電源タップでスマホから管理しています。機材ごとにスケジュールを組めて便利ですよ。気になる方はスマート電源タップの記事も参考にしてみてください。
冬支度⑥ 停電に備える
冬の停電は、ヒーターもフィルターも止まってしまうので要注意です。いざというときに慌てないよう、次のものを用意しておきましょう。
- 電池式(またはUSB充電式)のエアポンプ……フィルターが止まっても酸素を送れます。予備の電池も一緒に
- 毛布・断熱シート・発泡スチロール……水槽を覆って、水温が下がるのを遅らせます
- 使い捨てカイロ……水槽の外側に、タオル越しに貼ります。急に温まりすぎないよう、水温計を見ながら使いましょう
電池式のエアポンプは、単3電池2本で動く携帯用のタイプが手軽です。停電のときにすぐ使えるよう、予備の電池と一緒にしまっておきましょう。
停電中は、水を汚さないように餌を控えるのが基本です。電気が戻ったら、ヒーター・フィルター・エアポンプがちゃんと動いているか、水温が戻っているかを確認しましょう。フィルターの種類によっては、動かし直すときに呼び水が必要なものもあります。
メダカ・金魚の冬越しは?
ここまでは室内の熱帯魚水槽の話でした。メダカや金魚は低い水温にも強いので、屋外ならヒーターなしで冬越しさせるのが基本です。水深を確保する、凍結を防ぐといった屋外ならではのコツは、ヒーターなしでメダカを冬越しさせる方法にまとめています。睡蓮鉢やプラ舟のビオトープの季節ごとの管理はビオトープの作り方完全ガイドもどうぞ。

一方で、秋に生まれた針子を室内で育てたいときなど、あえて加温する場面もあります。そのときは、小さな容器ほど水温が変わりやすいので、ヒーターと水温計をセットで使いましょう。針子と水温の関係はメダカの針子の育て方で詳しく書いています。
水槽の冬対策のよくある質問
暖房をつけている部屋ならヒーターはいらない?
熱帯魚の水槽なら、ヒーターは入れておきましょう。暖房は夜や外出中に切ることが多く、そのあいだに水温が下がってしまいます。ヒーターがあれば、暖房のON/OFFに関係なく水温を一定に保てます。
冬は熱帯魚の餌を減らしたほうがいい?
ヒーターで水温が一定に保たれていれば、基本的にはいつもどおりで大丈夫です。ただし、水温が下がっていると魚の食欲も落ちるので、食べ残しが出ていないかは気にしておきましょう。食べ残しは水を汚す原因になります。屋外のメダカのように水温が下がる環境では、餌を控えめにするのが基本です。
冬もエアレーションは必要?
フィルターで水面がしっかり動いていれば、必須ではありません。ただ、ヒーターを使うときは水が動いているほうが水温のムラが減ります。水面が止まりがちな水槽では、弱めのエアレーションを入れておくと安心です。
ヒーターの設定温度は何℃にすればいい?
飼っている生体によって適温は違います。熱帯魚用のオートヒーターは26℃固定のものが多いので、一つの目安になります。温度調節ができるヒーターなら、飼っている魚やエビの適温を調べて合わせましょう。電気代を気にして極端に下げるのはおすすめしません。
まとめ
いかがだったでしょうか。水槽の冬支度をおさらいしましょう。
- ヒーターは使用年数とW数を確認、できれば予備を1本
- 水温計はヒーターから離して入れ、毎朝チェック
- フタと断熱材で熱を逃がさない、置き場所も見直す
- 水換え・足し水は水槽と同じ温度に合わせてから
- 停電に備えて、電池式エアポンプと毛布・断熱シートを
冬のトラブルの多くは「急な水温の変化」から起こります。毎日水温計を見るだけでも、ほとんどの異変には気づけますよ。寒くなる前に準備して、魚たちと一緒に冬を乗り越えましょう!
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